市道上尾平方線の現況

電線地中化、提案へ 上尾駅西口 歩行者の安全確保目指す

上尾市はJR上尾駅西口の市道上尾平方線両側の電線を約八百メートルにわたり地中化する設計費約一千万円と、街路樹のケヤキの伐採費千六百九十万円を、二〇〇七年度一般会計予算案に盛り込んだ。
自転車利用者と歩行者の安全確保が目的という。

対象地は上尾駅西口交差点から鴨川まで。
現在ある幅三・五メートルの歩道を四から四・五メートルに拡幅し、ケヤキの下あたりに電線を埋設する。
車道部分の幅は現在の十三メートルから一、二メートル狭くなる。

街路樹のケヤキは電線に当たらないよう枝を短く刈り込んでいるため、大きく枝を広げる本来の樹形とはだいぶ異なっている。
市建設部によると、ケヤキの伐採は工事のために必要で、工事終了後には樹高があまり高くならない樹種の植栽を考えているという。

埼玉新聞2007年2月26日

市道上尾平方線(西口駅前通り)の電線地中化は、かなり前から将来的な課題として考えられていたようですが、上記の記事にあるように、事業は平成19年度から開始されました。
上尾駅西口交差点から鴨川までの約800mのうち、駅寄りの約380m(上尾駅西口交差点〜春日神社)が第一工区、西側の約420m(春日神社〜鴨川)が第二工区となっています。

事業の段取りとしては、
平成19年度
・第一工区の詳細設計
・街路樹のケヤキ124本を伐採
石綿セメント管の敷設替え
平成20年度
・第一工区道路北側の電線地中化工事
石綿セメント管の敷設替え
平成21年度
・第一工区道路南側の電線地中化工事
・第二工区の詳細設計
平成22年度
・第一工区歩道整備及び配線工事
・第二工区道路北側?の電線地中化工事
平成23年
・第二工区道路南側?の電線地中化工事
平成24年
・第二工区歩道整備及び配線工事?

第二工区の段取りの詳細については、市議会の会議録からは調べきれなかったため、あくまで想像です。

この事業は単純に電線地中化と歩道の拡幅(車道幅の縮小)を行うのみならず、付帯してケヤキの伐採と石綿セメント管の敷設替えを伴っています。
石綿セメント管というのは、早い話が水道管のことです。
現在では全国的に鋳鉄管が主として使われており、早期に整備された水道管の一部に石綿セメント管が残存しているようです。

この石綿セメント管についてですが、
石綿繊維とセメントを約1:5の割合で混合した材質で製造される
・価格は安く、加工が容易であり、昭和初期から使用されている
・経年劣化が早く、強度が低下して漏水の原因となる
アスベストは呼吸器からの吸入に比べ経口摂取に伴う毒性はきわめて小さく、水道水中の存在量は問題となるレベルにない
・WHOの飲料水水質ガイドラインにおいても、健康影響の観点からガイドライン値を定める必要はないとしている

水道管に使用されている石綿セメント管について
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/kenkou/suido/hourei/jimuren/h14/dl/170713-1.pdf

まあ、厚労省やWHOを信用すれば健康被害は発生しないものらしいです。
問題視されていたのは強度、先般のような大きな地震が発生した際の耐久性にについてで、災害対策という点からも早急な対応を必要としていたとのことです。

市内の水道のうち、昭和55年のピーク時には総延長の58.4%相当の210kmが石綿セメント管だったそうですが、今回の対象区間を含めて平成20年には敷設替えが完了したようです。
ケヤキの伐採については電線地中化よりも敷設替えのためにこそ必要だったとのことで、やむを得なかったのかと思います。

さて、本題にはいりましょう。
まずは地図をご覧ください。
上が第一工区、下が第二工区になります。


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市道上尾平方線のうち、今回の事業の対象となっている区間は、幅員が20m、そのうち車道の幅員が13m、歩道の幅員が片側3.5mという構造で整備されておりました。
13mという車道の幅員は四車線としては余裕がなく、二車線としては余裕がありすぎる、中途半端な幅員といえるでしょう。
真偽のほどは分かりませんが、上尾駅から指扇駅方面に新交通システム(モノレールだったかもしれません)を開通させるために、二車線道路としては広く造られているという噂を何度か聞いた記憶があります。

おぼろげな記憶によれば、20年ほど前までは右折帯を除いて、全区間が二車線道路として使われていたと思います。
その後、西口ロータリーから柏座二丁目交差点までの区間が、右折帯を含め、西方向のみ二車線の三車線化されたような気がします。(既に記憶が曖昧です)

既に平成23年度になっておりますので、事業計画上では第一工区は完了し、第二工区の片側(おそらく北側)の電線地中化工事も完了。
現在は第二工区の残された片側(おそらく南側)の電線地中化工事に着手していなければなりません。

それでは写真で現況をご案内しましょう。
なお、実際の進路通りに第二工区北側から第一工区北側、第一工区南側から第二工区南側に進んでいきます。


富士見橋上から駅方面、橋から先が第二工区ですが何も行われている様子がありません


第二工区ほぼ中央の柏座郵便局前、やはり何も目に付くものはありません


第二工区東端の春日神社前でようやく変化が現れます

第一工区に入ります


電柱も電線もお役御免だと思うのですが、まだ通電しているのでしょうか


このサイズでは大木は植えられないでしょう


右折帯を長めにとってありますが、普通の二車線道路になってしまいました


上尾駅西口交差点から西方向、路肩の余裕はすっかりなくなりました


道路の南側、まだまだ時間がかかりそうな気配です


柏座二丁目交差点、とても安心して自転車で路肩を走れる道路でしたが、現状では割を食っています


春日神社前、わずかに着手されています

お約束という気もしますが、やはり計画通りには進捗しておりません。
また変化がありましたらレポートしようと思います。